久しぶりにピアノに触った

GWに実家に帰省してピアノに触った。昔はそれなりに弾いていたものだが、今や帰省時にたまに触れるくらいのものになってしまった。すっかり衰えた指で今かろうじて音を追えるのは二三曲くらい。いずれの曲も弾けるというほど弾けない。指がガチヴォチになっていて全く動かないんですよ。

 

久しぶりに曲を弾こうとすると、初めはなかなか指の運びが思い出せず、主旋律がかろうじて繋がるかどうかというくらいで、簡単な和音すら違う鍵盤を抑えてしまうし、ただぐちゃぐちゃの音を鳴らすような感じになる。しかしそれを何度かやっていると、指のほうで曲を思い出してくる。演奏と呼べるような演奏とは程遠いままだが、どの音を抑えればよいか、次はどこにどの指をどう運べばよいか繋がってくる。頭では何も思い出せないし覚えていないのに、指が曲の記憶を引っ張り出してくる感覚が面白い。一番初めに曲を習得する段階には必要なのかもしれないが、ピアノを弾くとき、頭で考えるというのは副次的なことなのだろう。昔発表会で演奏するときですら別のことを考えながら弾くことばかりだったし友人も同様のことを言っていた記憶がある。

 

ピアノに限らず例えば歩行や階段を下りる動作もそうだと思うが、あらためて考えるとできなくなるような、思考が立ち入る余地のない動作ってたくさんあるよな〜と思った。ピアノ少~し弾いただけでもいい感じに脳がグニャグニャになったので、そうした動作に自らを任せることの愉しさっていいものなんだな~、ふだん生活する中でもこの良さを忘れないでいたいな~、とおもいました。そんなGWでした。